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外来で目をまわさない めまい診療シンプルアプローチ
本, 城倉 健
によって 城倉 健
4.7 5つ星のうち 10 人の読者
ファイルサイズ : 21.97 MB
内容紹介 ありふれた症候でありながら,苦手意識を持つ医師が多い「めまい」。本書は脳卒中の専門家である著者が危ないめまいを見逃さないためのフローチャートを用いた簡単・便利なアプローチ法を伝授する。めまいの鑑別診断からその対応まで,やさしい語り口でコンサイスに解説。さらにQRコードによる動画配信で眼振や治療法の理解がいっそう深まること間違いなし。研修医から内科医,開業医まで,これ1冊でもう対応に迷わない!
ファイル名 : 外来で目をまわさない-めまい診療シンプルアプローチ.pdf
外来で目をまわさない めまい診療シンプルアプローチを読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
一週間かけて、3回程、読み込んでみた。本書は、めまい診療にアレルギーのある医師に対して、中枢性のめまいと末梢性のめまいを対比し、整理して記載し、フローチャートを用いて、もれのない簡便なめまい診療方法を提示し、特に患者を起立させて歩行を調べて体幹失調の有無を調べることの重要性を強調している。そして、実際の眼振やBPPVについての治療法について、QRコードによる動画を提示して、より効率的に学習出来るように工夫されている。非常にわかりやすい記載で、長年、めまいを見るたびに、この程度でいいのかなと疑問を持っていただけに、systematicな診察法が示されていて、ためになった。特に今回はビデオや図を見ながら、娘がもう遊ばなくなっていたネネちゃんを机の上において転がしながら、何度もEpley法やSemont法、BBQ法、Brandt-Daroff法を確認し、最後に自分でもそのような体位を何度も取りながらころがってみたので理解が深まった。ただ、本書の記載については、Frenzel眼鏡を用いて診療を行うということが中心になっているのが気になった。私も含めて、この本を読む多くの人は、めまい診療を専門外としている人で、基本、外勤先等での十分に環境が整っていない場所での診療ということになると思うのだが、そうするとFrenzel眼鏡なしで診療することになると思う。そのような場合は、まずは目の動きとともに、自発眼振を確認して、寝たままでできる簡単なBarre testや小脳機能検査と発語を確認後、口の中をみて舌の動き、咽頭の動きを調べ、その後、Frenzel眼鏡なしで、Dix Hallpike法等の頭位変換を含む眼振誘導検査をし、さらに前庭障害については、head thrust testを行うと思うのだが、そのようなFrenzel眼鏡なしでの身体所見の簡便なとり方について、記載がない点は気になった。また、病気の頻度についての記載については、自験例をもとに示されており大変貴重だと思うのだが、このような場合、海外や国内の論文等の具体的なデーターを示し比較しながら、一般的にどうかという検討が示されなければ、客観的な記載と言えないのではないだろうか。例えば、米国のNCBIのデータを参照すると、vestibular migraineが2番目に頻度の多い、めまいの原因ということになっているが、なぜここでは、その頻度が低いのか十分に議論がなされていないのが気になる。診断基準がはっきりしないとか、migraineが日本人で少ないとかという理由があれば、その旨の記載が必要だと思うし、少なくともvestibular migraineについては定義も含めて十分に議論されるべきだと思う。そして、付録という感じで記載されているvertebrobasilar insufficiency等についてだが、私が調べた範囲では、この言葉は、posterior systemのTIAという意味で使われている言葉ではなくて、 Beauty parlour syndrome といわれるようにある頭位を取った時に起こるposterior systemの虚血のことを主にさすと思うのだが、そのあたりどうなのか気になった。また、日本語の問題だと思うが、本書の部分部分で記載されるめまいが、vertigoのことを示しているのか、dizzinessや light headednessを指しているのか、判然としない部分があり、読者がその部分を想像しながら読まなければいけないのはつらいと感じた。最後に、症例については、具体的な患者さんの症状の記載があるとためになると思った。単純にめまいで来院という記載でなくて、ぐるぐるとメリーゴーランドのように地面が回ったとか、頭が軽くなったような感じがしたとか、具体的な患者さんの訴えの記載がほしい。以上、書評として、批判が多くて大変申し訳がないのだが、まずは、非常によくかけた本であり、多くの研修医やめまいの診療に疑問を持っている医師に是非推薦したい本であることを強調し、その上で、少し気になった点について記載した。専門外のことなので、指摘には間違いがあるかもしれないことを断っておく。PS:1)TheGifttany ENTや Fauquier ENTがYoutubeに投稿しているvertigoに関する動画は本書のQRコードによる動画とともにためになり、本書を読みながら参照にした。またThe Robert B. Daroff Neuro-Ophthalmology Collectionでは、貴重な中枢性の目の動きの異常の動画とその解説を見ることができ、YoutubeのAbnormal Gait Examination VIdeoでは体幹失調を含めた様々なgait異常の動画を見ることができるので、本書とともに活用すると学習に役に立つと思う。2) P105、図48のレジェンドは左後下小脳動脈です。
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