源氏物語 下 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集06)電子ブックのダウンロード
源氏物語 下 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集06)
本, 角田光代
によって 角田光代
3.6 5つ星のうち 20 人の読者
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内容紹介 源氏亡きあと、宇治を舞台に源氏の息子・薫と孫・匂宮、姫君たちとの恋と性愛を描く。すれ違う男と女の思惑――。大長編の最後を飾るドラマチックな「宇治十帖」が圧巻。角田源氏、完結巻。 解題=藤原克己(国文学 東京大学) 解説=池澤夏樹 月報=辻原登 マイケル・エメリック 帯写真=川内倫子 <出版社から> 【角田光代訳『源氏物語』は、何より読みやすさと、昔も今もつながる感情を重視! 】 角田訳は、物語としての面白さが堪能できる『源氏物語』です。これまでの現代語訳で挫折した方も、この角田訳なら必ず最後までたどりつけることをお約束します。 【読みやすさの工夫を凝らした角田訳の特徴】 ●原文に忠実に沿いながらも、読みやすく、感情に引きつけて読める自然な訳文 ●主語を補い、地の文の敬語をほぼ廃したことで、細部までわかりやすい ●現代的で歯切れがよく、生き生きとした会話文 ●作者や第三者の声(草子地)を魅力的に訳して挿入 ●和歌や漢詩などの引用はほぼ全文を補って紹介 平安時代中期の11世紀初めに紫式部によって書かれた『源氏物語』は、五十四帖から成る世界最古の長篇小説。輝く皇子として生まれた光源氏が、女たちとさまざまな恋愛を繰り広げる物語であると同時に、生と死、無常観など、人生や社会の深淵が描かれている。四百人以上の登場人物が織りなす物語の面白さ、卓越した構成力、細やかな心情を豊かに綴った筆致と、千年読み継がれる傑作。下巻には、42帖「匂宮」から54帖「夢浮橋」までを収録。 内容(「BOOK」データベースより) 宇治を舞台に、光源氏ゆかりの二人の貴公子と姫君との恋と性愛。等身大の男と女を描く完結巻。 商品の説明をすべて表示する
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文章の密度が高く、読みやすいが安直ではない。親切なのはエピソードの主役が切り替わるごとにその人を中心に据えた人物相関図が挿入されることだ。もともと人間関係が入り組んだ作品なのでこうした親切は理解の助けになる。下巻は源氏物語の後日談というべき宇治十帖を扱っている。匂宮と薫の二人が織りなす人間模様がテーマだ。一説には源氏物語のスピンオフとも二次創作とも言われる作品だが、それでも本編と高い整合性を持つ独特な魅力を持つ。先代の、光源氏の輝きはやり過ぎの感もあり美しさの極限は人間味の喪失のようにも思われる。それを思うと先代ほどの輝きはないという次代の物語はむしろ読者にとって人間味のあるものと映る。光源氏の薫への思いは深いもので不義の子と勘付きながらも大事にしていた。思うところは後世のそれとは違い、柏木の子ならいずれむこにもなろう、ならば端からむすこであっても何ほどのことかというところか。「むこ」も「むすこ」も「す」の一文字が違うだけ。「むこ」が巣に入れば「むすこ」になる。光源氏も良き「むこ」を自らの巣に迎えたいという思いを抱いていたのだろう。それが「むすこ」なら幸せというものか。だが、その温かな思いは光源氏自身の過去も相まって桐壺帝の思いに重なる。中巻までの物語はそうした因果を収束させる道程だった。宇治十帖は再びもつれようとしていた匂宮と薫の人生が浮舟のところで焦点を結び、川に落ちた彼女のはかない人生が二人を夢から覚めさせる。その過程は光源氏の人生のような華やかさはない。それも下巻の初めに早々に書き連ねられていることだが、それが普通の読み手にとってはむしろ哀愁をもってせまってくる。源氏物語はいろいろな読み方ができる。角田源氏はそういう読み方を促してくれる。学問としてなら他のものが候補になるだろうが、登場人物の人生に共感するならこのシリーズが良いでしょう。
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